手書きPOPのコピーを考える
『呼吸で心を整える』は1月7日に発売され、新刊配本として7冊入荷しました。あまりいい場所とは言えないのですが、ビジネス書ゾーンの一番端にある棚の日経文庫の新刊の横に面陳されました。
「それなりに売れているので5冊追加注文をしました」
ビジネス書の担当者はそんなことを言っていました。
Facebook上では発売後即重版が決まったと伝えられていましたし、他の店でも売れていると営業マンも言っていました。さて店としてはどうしたらいいのか。担当者にもう一度聞いてみると、新書の仕掛け売りのステージは今空きがないということでした。
同じシリーズの『あなたの「影響力」が武器となる101の心理テクニック』はテーブル1台展開を長く続けているのに、毎週ベストテンの4位とか5位に安定して常時ランクインしています。
同じシリーズで2点を同時に仕掛けるのはちょっと気が引けるらしくて出版社の営業マンも二の足を踏んでいるような印象を受けました。なかなか積極的な営業はできなかったようです。
スペースに空きがないなんて、言い訳にしか過ぎないと思う。自分の担当ジャンルの中だけで考えていたら何もチャレンジできないだろう。文庫の仕掛けスペースには賞味期限切れの作品が何点かあるようだからそこで調整できるだろうと思う。
売れそうなものはどんどん仕掛けるべきだし、ジャンルで販売ステージを固定しない方がいいと思うので、担当者に再考を促しました。すると仲間とで話し合ってみると返事が返ってきました。
仕掛け売りの販売ステージは全体最適をつくるべきだというのは、みんな知っていることなので突破口は必ず開けるはずです。話し合いの結果、仕掛け売りのスペースを文庫担当から譲ってもらった新書担当者は出版社に電話で150冊の注文をしました。
7冊入荷で4冊売れで150冊注文。そんなチャレンジができるメンバーがいたなんてとても誇らしい気分になりました。そんな経緯で『呼吸で心を整える』の仕掛け売りがスタートしました。
発売から3週間後、1月27日に商品が入荷しましたので、店の入り口の販売ステージのうちの1台を使ってボリューム陳列を始めました。文庫担当から譲られた販売ステージは、台そのものが変形で、4面2列で8面しか置けない状態でした。
新書版で、8面で150冊展開ではちょっとボリューム陳列の効果が少ないと感じましたので、私が工作班として出動することにしました。ちなみに私は過去に何度もこうした工作に携わってきました。割りとこうしたことが好きなのです。
使用済みのパネルを組み合わせて商品の下に敷いて、横6面×縦3列の18面陳列ができる状態を作りました。今までも何回も行ってきた工作ですのでどうにでもなります。ノープロブレムです。
パネルはメインコピーとサブコピーは以下のようになっています。
この呼吸で
気持ちの切り替えが
スムーズになりました
前向きな「ため息」で
もう感情に振り回されない
このコピーでは感情の切り替えに関する本のイメージになってしまうし、前向きな「ため息」って何?という疑問が出てきました。「売れるのかな?」という不安が出てきました。表紙にはタイトルが記入され、タイトルよりも大きな文字で
前向きな「ため息」で感情に振り回されなくなる
とパネルと同じフレーズが書かれています。
この本を作った編集者や著者にとっては意味のある言葉を使っていると思うので、疑問を感じることはないのだろうと思います。でも、何の気なしに店に来たお客さまはこのコピーを見ると、何を言っているのか意味は伝わらないのではないかと思います。
そこで、POPの出番がやってきます。この作品の本質は何か。何を伝えようとしてこの作品をつくったのか、それを理解していただくためには、ストレートに読者に伝わるコピーが欲しいと思いました。
この作品のキーとなっているのは「呼吸」です。呼吸とは一体何なのか。その疑問に答えるコピーで明快にしたい。次いで、この作品のメインであるマイブレス式呼吸法とは何なのかをわかりやすい言葉で伝えたいと思います。
タイトルにある言葉の定義は基本的に第一章に書かれていると思いますので、第一章を読んでみました。そこに書かれていた興味深いフレーズをちょっといじってPOPコピーを考えました。
このフレーズは呼吸そのものの定義であるし、呼吸法で人生を変えようとするこの本の根幹に関わっているような気がしました。こういうフレーズはPOPのコピーとして極めて有効だと思います。1枚目のPOPのコピーができました。
次いで印象に残った文章は
「呼吸と心は深く関連している。そのメカニズムを解き明かしながら、その情動に合わせた呼吸法をわかりやすく説明しています」
というフレーズでした。
脳と心は近いイメージがありますので使えるのではないかと考えました。それと、マイブレス式呼吸法を端的に表す言葉が欲しいと思いましたが、読み進めていくうちに使える言葉を発見しました。
前の文章と合わせ、二枚目のPOPのコピーができ上がりました。
この2枚目のPOPのコピーはマイブレス式呼吸法の本質をわかりやすく表現できたのではないかと考えています。これで2枚のPOPのコピーが完成しましたので、色合いを考慮しながら手書きPOPを作成しました。
パネルの下に大展開したボリューム陳列に気の利いた手書きPOPをつけると、お客さまがよく手に取ってくれるようになります。
これからお客さまの反応がどのように出てくるのか楽しみで仕方がありません。
これからお客さまの反応がどのように出てくるのか楽しみで仕方がありません。
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