2016年2月4日木曜日

自分に聞く力で問題解決

作品のイメージを伝えるPOPを書く

午後、元塾生として過去に10万部突破三連発を作ったN氏が、編集に移って初めて著者を連れて店にやってきました。彼が担当した作品は『自分に聞く力で問題解決』という作品で、白地に黒の文字でタイトルが記されていました。

ビジネス書の話題の本のコーナーに2面で陳列されていたのですが、周囲の作品も白地の作品ばかりであまり目立っていませんでした。そこで、
「帯替えして色を付けてみた方がいいのではないですか。黄色なんかいいかもしれない。『気がきく』と同じパターンで…」
と言っておきました。

帯を作り直すのはお金もかかるのですぐにはできないでしょうが、データを作ってプリントしてコピーにかけて少部数の帯をつくる分にはそれほどお金はかかりませんので、20~30枚作ってテスト販売し、結果が良ければ重版時に帯替えすれいいと思います。

パネルはA4サイズのものがついていましたし、POPも葉書サイズのものがついていたのですが、手書きではなく印刷したものでした。データを見てみると30入りで4売れという結果がでました。

気になったのは、本のタイトルを見ただけではどういう内容なのかが私には理解できなかったことでした。表紙には文字がたくさん配列されているのですが意味が直接的に伝わらない言葉ばかり使われている印象がありました。

タイトルを見ただけで本を読みたいと思わせる力を持つ、そういう作品が売れる作品なのだろうと思っています。そういう意味ではこの作品は売れる作品としてのイメージが湧きませんでした。

自分に聞く力って何だろう。感情に振り回されるなってどういうこと。そんな疑問が湧くのはストレートに伝わる言葉を使っていないからだろうと思います。そんな時には気の利いたPOPのコピーで作品のイメージを伝えるようにすべきです。

作品のイメージをうまく伝えてくれるフレーズはバカ売れキャッチコピーに変化していきます。タイトルの前半部分の「自分に聞く力」とはどういうことなのか調べたくて、本文の第一章を見てみました。

普通はタイトルの意味は第一章に書かれていることが多いのですが、この作品の第一章には見当たりませんでした。N氏に聞くと第三章に書いてあるということでした。ページをめくっていくと確かにありました。

そこに書き込まれていたフレーズを見た瞬間、この本のタイトルの意味や読者に伝えたいメッセージが自分なりにイメージできました。これをPOPのコピーにすればいい。すぐにそう考えました。

事務所からマジックとPOP用紙を持ってきて、傍にあった三段台車の上段の空きスペースに本を置き、手書きでPOPを一気に書きました。書き写すだけですから12分で1枚のPOPが完成しました。

問題解決3つのステップ
1. 「どうして」と自分に聞く
2. 解決策を洗い出す
3. 行動計画に落とし込む

自分に聞く力で問題解決

今まで付けていた著者持参のPOPを外し、手書きPOPに入れ替えました。表紙を見ただけではこの本のタイトルの意味が伝わらなかったのですが、表紙とPOPのコピーを見比べると本の中身がイメージできました。

編集者は早速POPの写真を撮りました。
「もしこのPOPで売れ始めたら、シェアして広げていきます。いいですよね」
元営業マンですから商魂はたくましいものがあります。

著者も同様に考えたようで、二人してうなづいていました。その後で、編集者から元棚にも置いてほしいという要望があり、話題の本のコーナーから一部在庫を移し、リーダーシップの棚に面陳を作りました。

棚の一番端に陳列しましたので、袖の部分に著者持参のPOPをつけることができました。せっかく自分で手書きして持参してくれたPOPが無駄にならなくてよかったと思いますN氏の著者同行の店訪問はこれにて一件落着しました。



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