2015年8月21日金曜日

物語 ビジネスダービー 2

スタート
各店ごとの販売コンクールでの公平性を考慮して店の規模ごとに4段階に分けて配本数を設定することにしました。

内訳は
Aグループ6店舗  1点につき20冊、合計180
Bグループ11店舗 1点につき10冊、合計90
Cグループ11店舗 1点につき7冊、合計63
Dグループ6店舗  1点につき5冊、合計45
これを全店合計すると1点当たり337冊の納入ということになります。

表彰対象
グループごとの販売実績第一位(参加書店向け)
作品の合計販売実績第一位(参加出版社向け)
POPコンテスト第一位及び特別賞(参加出版社&参加書店)

これとは別に
各出版社の販売実績第一位から三位までを対象に、お菓子の詰め合わせを出版社の方から該当する店舗に届けていただくようにお願いしました。

各出版社からノミネートされた作品
ダイヤモンド社   『20代のいま、やっておくべきお金のこと』
日経新聞出版社   『君はなぜ働くか。』
東洋経済新報社   『レバレッジ・シンキング』
日本実業出版社   『てっぺん!の朝礼』
PHP研究所    『道をひらく』
かんき出版     『とことんやれば、必ずできる』
中経出版      『幸運を呼び寄せる朝の習慣』
明日香出版社    『絶妙な「集中力」をつける技術』
三笠書房      『頭のいい人の短く深く眠る方法』

9社から提出された作品はほとんどが自己啓発系の作品が多く、一部の作品にはビジネスノウハウ的な作品が含まれていた。そして、各作品に共通しているのが出版社の営業マン達が自信を持っておすすめする作品だったし、今売りたい作品が並んでいた。
830日には店に商品が到着して準備が整い、91日からビジネスダービーは始まった。

結果
91日からビジネスダービーは始まりました。さっそく店を回ってみると、A店ではレジ横の柱の前のテーブル1台を使って商品が展開されていました。場所といいボリューム感といい文句なしの展開でした。
店によっては消極的な展開や、あまり目立たない場所での展開もありましたが、全体的にはいい感じでの商品展開ができていました。

途中経過は一週間のサイクルで販売実績を集計し、皆さんにメールでお知らせしました。最初のうちは興味を持って見ていただいていたのですが、終盤になって体制が決まってからは下位に低迷していた出版社には針のむしろに感じた方もいらっしゃったようです。
上位5社ぐらいまでは白熱したレースでしたので、データを催促されるケースもありました。

始めのころは『レバレッジ・シンキング』と『道をひらく』が突出して売れていました。両方ともその時の売れ筋作品でしたから「そんなものかな」という気もしましたが、途中から『頭のいい人の短く深く眠る法』と『20代のいま、やっておくべきお金のこと』が追走してきて首位争いが面白くなってきました。

店別の販売実績ではいつも企画のたびに頑張っている沿線中核都市のF店がもたもたした走りをしていました。それに反して都心のターミナルにあるA店が独走気味で強い販売実績を上げていました。
都心のターミナルに隣接した小さな駅の小型店の2店舗が健闘していました。客層が一般的な文庫と比べ、ビジネス書は商材としてまた違った側面を見せてくれているような気がしました。

一か月間のビジネスダービーはつつがなく終了し、翌月すぐに最終結果を集計して皆さんにお知らせしました。ちなみに、第一位の作品は200冊越えしていましたし、第二位作品も190冊を超えていました。
ダービー実施期間の全店の販売実績は1300冊を超えて、初回投入冊数が3000冊強でしたので、1か月間での消化率は44%でした。まずまずの実績だと考えています。

9月期のビジネス書の月間ベスト30位の中に7作品が入りました。ダービー出走作品は9作品でしたので思いの外良い成績であったと言えると思います。
そして、全店のビジネス書売上が既存店ベースで対前年比3%増という数字をたたき出してくれました。狙いは当たりました。

表彰
作品別の販売実績
第一位 『レバレッジ・シンキング』
第二位 『頭のいい人の短く深く眠る法』
第三位 『道をひらく』
第四位 『20代のいま、やっておくべきお金のこと』
第五位 『とことんやれば、必ずできる』        以下省略

第一位と第三位はもともと売れていた作品でしたので当然の結果のようでした。
第一位の『レバレッジ・シンキング』が文句なく表彰対象になり、やまぬ羅書店ビジネスダービー初代チャンピオンの座につきました。
また、第二位と第四位は全く注目されていなかった作品が入りましたので、担当営業マンの商品に対する目利きと営業スタイルに敬意を払うべきだと感じましたので、作品を推薦したお二人に特別賞が贈呈されました。

店別の販売実績では
第一位 A店
第二位 K店
第三位 F店
第四位 S店
第五位 T店、ST店
五位は同数で2店舗が入っています。
大型店が一位から三位までを占めましたが、四位のS店はボーリング大会の開催地でしたので、モチベーションが高かったように感じました。

表彰対象となるグループ別一位は
Aグループ A店
Bグループ T店、ST店
Cグループ TY店、KG店
Dグループ H店
それぞれ表彰されましたが、Dグループ一位のH店が全体でも18位と健闘していました。

POPコンテストでは皆さんの苦労がしのばれる作品が多くありました。手書きと印刷と2種類用意された方もいらっしゃいました。審査の結果、らみねーとされた美しいPOPを作成した中経出版のTさんが第一位に選ばれました。

ご褒美
たまたまこの時期にサッカーのJリーグの試合のチケットが入手できましたので、仕入部長にお願いしてビジネスダービーの慰労会で使用させていただくことにしました。

そこで、ビジネスダービーで第一位から第五位までに入賞された5社の営業マンに招待状を送りました。今回は皆さんのスケジュールが空いていたようで、全員が参加していただくことになりました。

1024日のナイトゲームでしたので、1730分に最寄り駅に集合していただき、全員が揃ったところで会場に異動しました。10人が入れる部屋にはモニターTVが置いてあり、ガラス窓の外に観覧席がありました。

とてもゴージャスな場所でのサッカー観戦でしたが、三笠書房のKさんとPHP研究所のKさんは二度目だと喜んでいました。二人とも文庫の仕掛け販売の実績で招待されたことがあるようでした。

中でもPHP研究所のKさんの方は当時ヴェルディに在籍していた森本選手のJリーグ最年少ゴールを見ることができたとはしゃいでいました。

部屋の外の観覧席に異動した参加者が
「隣の部屋に有名人がいる」
と言って騒いでいましたが、飲み物と料理が届いたところで乾杯となりました。

お酒が少し入って、皆さんの気分がひと段落したところでゲームが始まり、グラスを観覧席に持ち込んで観戦する方、部屋の中のモニターTVを見ながらお酒を飲む方、料理を口に運ぶ方と別れました。

観覧席は上から下を見下ろす感じで全体が見渡せる位置でしたので、観客席と部屋を交互に移りながら、リラックスする方も多くいらっしゃいました。得点シーンはモニターTVで再確認ができました。

ゲームは得点の取り合いとなり、43で終了しました。得点シーンも多くありましたので、サッカー観戦の初心者の皆さんにも大変喜んでいただきました。


こうしたお楽しみ企画に参加していただけるのは入賞者だけですが、入賞できなかった方がこうした情報を受け取ると次回こそ自分の番だと頑張る方が多く見受けられます。

反省会
119日に出版社と店のメンバーに集まっていただき、ビジネスダービー反省会を行いました。結果報告と質疑応答が主な内容でした。

結果報告は期間中の作品ごとの販売実績、店ごとの販売実績がメインになっていましたが、10月の販売実績も追加して2ヶ月分のデータも用意しました。
2ヶ月間の実績では上位5作品が200冊越えをしており、合計販売数では初回投入冊数の6割を超える実績になっていました。消化率が6割を超えるとフェアとしては売れた企画の部類に入りますので、上位入賞した出版社の営業マンもほっとしていたようです。

店からの出席者はあまり多くはなかったのですが、参加した店長が貴重な意見を寄せてくれました。

「本物のダービーでは9頭だけというのはあまり聞きません。もっと出走頭数を増やした方が良いのではないでしょうか」

これは次回への課題として真剣に検討する必要がありそうです。フェア実施期間中に訪問してきたビジネス系の出版社の営業マン何人かから、「うちも仲間に入れてくださいよ」という意見が店の担当者や本部スタッフに寄せられていました。

9月はビジネス書としては盛り上がりに欠ける季節でしたので、全店で取り組んでいただける企画がありましたので、出版社の営業として大変助かりました」

「今回は商品選定にテーマの縛りがありませんでしたが、次回はもう少し絞り込んだテーマを設定して賞品を選んだらどうでしょうか」

このような意見もいただきました。

店に対する表彰は店長会ですでに終了していましたが、出版社の方がの表彰はまだ済んでいません。そこで、反省会終了後に表彰式を行いました。販売実績第一位、POPコンテスト第一位、特別賞2名、合計4名の方が表彰されました。
 
その時間だけ社長に出席してもらい、表彰状を読み上げていただき、総務で用意していただいた副賞とともに皆さんに渡していただきました。

「次回は4月、5月のビジネス書の需要が大きい新年度でどうでしょうか」
という意見に皆さんが大筋で合意して反省会は終了しました。

スケジュール
ビジネスダービーが終了すると10月からおすすめ文庫全店フェアが始まりました。どれも企画の作成から実施までに3カ月はかかっています。拡販キャンペーンは1ヶ月置いて2か月間実施します。

「何とせわしないことか」
毎月何かしらの企画が待っています。おすすめ文庫全店フェアの拡販キャンペーンでは、仕掛け売り史上始まって以来の記録的な販売実績が作れました。
その期間中に雑学系の文庫出版社からは雑学系文庫のフェアを行ってほしいという要望があり、急きょ3月に雑学文庫ダービーを企画することになり、56月には雑学系文庫の拡販キャンペーンが入りました。

45月にビジネスダービーを開催したいという要望に応えるためには、スケジュールを調整しないととても自分の身が持たないという気分になってきました。実際に商品を販売する店のメンバーはなおさら大変なのだろうと思います。

ビジネスダービーは4月に入れるしかありません。4月はビジネス書の需要が最も大きい季節です。ビジネスダービーにはお似合いのはずです。
文庫の第一位作品の拡販キャンペーンの売上数字を見ていたメンバーから、ビジネス書も拡販キャンペーンをするべきだとの意見が多く出てきています。
調整の結果、全店フェアの年間スケジュールが固まってきました。

3月    雑学文庫ダービー
4月    春のビジネスダービー
56月  雑学文庫拡販キャンペーン
67月  ビジネスダービー拡販キャンペーン
78月  夏の文庫フェア
9月    秋のビジネスダービー
10月    おすすめ文庫全店フェア
1112  ビジネスダービー拡販キャンペーン
121月  おすすめ文庫拡販キャンペーン


月ごとの実施項目を並べて年間スケジュールを作ってみると、全くの空白は2月しかありませんし、ダブりが3か月もあります。これらの企画はすべて丸山が企画書を書いていました。これからは他のメンバーの協力が欠かせないなと丸山は考え始めています。

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